ろう付けで、アクセサリー作りに挑戦! ~ワークショップ体験記~

春風が心地よいある日、ろう付け体験ワークショップに友人を誘い、参加しました。
このワークショップは、アクセサリー製造業者のアトリエ・エイトさんが、よせものデザインスクール開校にあわせて行ったイベントで、アクセサリー製作ができるという女性には魅力的なものです!
場所は、東京の秋葉原~御徒町間高架下にある、ものづくりの街2k540の「ヨセモSTUDIO」で行われました。

よせものとは?

「よせもの」とは、ひとつひとつのパーツを寄せ集め、それらを溶接(ろう付け)で加工し、作品の形を作る、日本の伝統工芸技術。
今では量産用の技術が開発され、「よせもの」技術を継承している職人が少なくなっています。
「繊細さ、軽さ、輝き」を表現しやすいこと、ひとつから作れることから、アクセサリーをはじめ結婚式などに使われるティアラのような特別なアイテム製作まで、その技術が用いられています。

【参考】ろう付け-溶接豆知識
溶接には、「融接」、「圧接」、「ろう接」の3つの接合形態があります。
「ろう付け」は「ろう接」の主な接合法で、ろう材と呼ばれる糊(接着剤)の役割を担う合金を接合部の間に挟み込む事によって接合部を作ります。
母材をほとんど溶かさずに、薄板や精密部品の接合が可能です。
最も古い冶金的接合技術(※)である「ろう付け」は、古代エジプトのツタンカーメンの黄金マスクや奈良の大仏にも使われています。
 (※)冶金的接合技術…金属材料の持つ特性を利用して接合する技術

体験スタート!

目の前のトレイにあるアクセサリーから、今回製作するものを選びます。

迷った末、金色のクローバーペンダントとバラ(大)のリングにしました。
ペンダントは、四つ葉のクローバーパーツの上に、蝶々のパーツを好きなところに配置して、オリジナルのペンダントパーツが作れます。

作るものが決まったら、まずはビデオを見て事前学習。
スタッフの方が丁寧に説明してくれます。

作業台へ移動し、製作開始です。
スタッフの方の手を借りつつ、順に作業を進めていきます。
いよいよ、ガスバーナーの登場。使い方を教わり、火力を調節して、ろう付けしていきます。
パーツが小さくてピンセットがうまく使えなかったり、ガスバーナーの火を少しあてすぎてしまったりといろいろありましたが、なんとかメインの作業が終わりました。

ろう付けの様子

その後、洗浄、磨きなどの作業を経て、好きな色のクリスタルガラスをつけます。
これで、ペンダントトップとリングの出来上がりです。
本日の体験はここまで。
スタッフの方より、最後にメッキ加工するので、後日来て下さいとのお話がありました。

完成品を受け取りに

そして2週間後、ヨセモSTUDIOを再訪しました。
ドキドキしながら、完成品と対面です。
メッキを施すことで、美しく光沢を放っています。
思った以上の出来栄えに、友人共々満足しました!

初めてのろう付けは少し緊張しましたが、デザインスクール校長の高橋正明さんとスタッフの方々のアドバイスで、とても楽しい体験が出来ました。
みなさん、ありがとうございました!

高橋さん(中央)とスタッフの方々

最後に

アトリエ・エイトの高橋正明さんは、家業のアクセサリー工房の「よせもの」技術を継承し、技術の素晴らしさを残したいという思いから、普及活動等いろいろな取り組みをされています。
「ろう付け」は多くの工業製品の製作に活用されていますが、今回お店で多くのアクセサリーを見せていただき、「ろう付け」だから出来る接点の繊細さに魅了されました。

溶接というと火花が散るようなイメージがありますが、「ろう付け」はガスを使って溶接するので、比較的気軽に出来ます。
身につけておけば、DIYといった趣味から製造業、アクセサリー製作や修復の仕事にも幅広く役立ちます。

【参考】日本溶接協会 ろう付け関連
 ・銀ろう付技能者資格(資格の種類や評価試験等について)
 ・ろう部会(ろう材及びろう付技術水準の維持向上を目的に活動する部会)

アトリエ・エイト
  https://www.atelier8.co.jp/

よせものデザインスクール|ヨセモSTUDIO
  https://www.yosemo-studio.com/