非破壊検査

仕事の種類

(CIW認定事業者等)

溶接前、溶接中及び溶接後、その溶接の品質が保たれているかを試験・検査する。

目的と役割

溶接は表面だけでなく内部まで一体化していないといけません。表面のきずはもちろん、目で直接見えない内部についても溶接部を壊さないよう欠陥の有無を調べ、形状やサイズを測定できる専門的な技術が非破壊検査です。トラブル防止や安全確保の面で重要な役割を果たす、安心の砦です。

業務内容

一例として次のような種類の検査方法で、溶接部を破壊せずに表面や内部に欠陥がないかを調べ、構造物の安全性を判断します。

  • 表面や表層部のきずを検出する方法として、目視試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験などがあります。磁粉探傷試験は漏洩磁束の原理を用いた非破壊検査方法で、表面や表面近傍のきずを検出できます。きずの内部に浸透させた浸透液を毛管現象によって表面に吸い出し、きずを知覚的に感知する検査手法が浸透探傷試験です。
  • 内部のきずを検出する方法として、放射線透過試験や超音波探傷試験などがあります。エックス線やガンマ線などの放射線が物質を透過する性質と写真フィルムを感光させる性質を利用して、内部の状態を撮影像としてフィルムに記録するのが放射線透過試験です。超音波を試験体内部に伝播させて、きずから反射した超音波の強さと範囲を元に、きずの大きさや形状を推定するのが超音波探傷試験です。

魅力とやりがい

溶接部の品質を公正にジャッジしてくれる人がいないと、私たちの日々の安全な生活は成り立ちません。構造物を相手に人間の目には見えない「きず」及び「欠陥」を見つけ、大きな事故を未然に防ぎ、安心の裏付けを行う大切な仕事です。

代表的な資格等

日本非破壊検査協会が認証する非破壊試験技術者があります。放射線試験や超音波試験などの知識や技量が試験され、経験や学歴に応じて1~3まで3段階のレベルが設定されています。また、これを基礎に事業者を認定する日本溶接協会のCIW認定制度があります。