金属を溶かして積み上げると??

製品の作り方にいろいろなルートが!!

「ものづくり」の方法に新たな選択肢が示されつつあります。今まで何か製品を作ろうと思ったら、材料を調達して(例えば板材など)、それを加工して、接合するのが基本ですね。
つまり、①調達②加工③組み立ての3ステップです。ところが最近では、「金属を溶かして積み上げる」というワンステップの製造方法が実現しつつあるのです。
例えば、身近なところでは、道路を歩いていると格子状の溝のフタがありますよね。これを製造する場合、まずは板材を調達する必要があります。次に、これを加工し、接合するという3ステップは容易に想像できますよね。ところが、これを「金属を溶かして積み上げる」だけで製造することも原理的には可能なのです。案ずるより「見る」が易し。まだまだ試験段階ですが、次の動画を見てみましょう。

いかがですか。アーチ状のフタが150層で、できちゃいました。

設計者通りの積層に成功
積層の欠陥は見られない

①材料の調達は溶接ワイヤで
②加工と③組み立ては、金属を積み上げるルートの工夫で置き換えられていますね。

効率的に金属を溶かすことができるマグ溶接と、金属を積み上げる「ルート」を自在にデザインできて、追従できるロボットシステムの技術が融合したイメージですね。

もっと大きな橋の製作や、船舶の部品製造などにも応用が進んでいる新しい技術なのですよ。特に金属ワイヤをアーク熱源で溶かして、積み上げていく方法はワーム(Wire and Arc Additive Manufacturing:WAAM)と呼ばれています。いろいろ調べてみてくださいね。