日本溶接協会 自動車部会 職場インタビュー(1.トヨタ自動車)

小田 怜佳さん
トヨタ自動車株式会社 ボデー生技部 ボデー技術開発室
入社4年目(2026年6月現在)

良い車の大前提である安全性を支えているのが溶接です。現場で使える技術にするためには多くのハードルがありますが、「いいものを作ろう」という思いを持って取り組めば周りが必ず助けてくれますし、その中で成長していけます。

モノづくりに興味がある方も、まだそうでない方も、やりがいや楽しさを感じられる仕事なので、是非飛び込んで来て頂けると嬉しいです。

現在は、スポット溶接の品質検査を自動化する技術開発に取り組んでいます。溶接ガンに取り付けたセンサで溶接中のデータを取得し、そのデータをもとに品質を自動判定する仕組みです。正確な判定を実現するために、データ分析による特徴量の検討と、現場での実現象確認を繰り返しながら、システムの信頼性向上を進めています。

現在の検査は作業者にとって身体的な負担が大きい作業であるため、自動化を実現することで「人にやさしく安心して働ける工場づくり」につなげていきたいと考えています。

もともと「現場で役に立つ技術を入れたい」という思いが、私の仕事のモチベーションです。入社後はボデー工場の生産準備として、新しい車種を生産するために設備改造を担当し、自分が考えた仕様が形になって現場で使われることに大きなやりがいを感じていました。

3年目から取り組んでいる現在の業務も、まさにその延長線上にあります。溶接現象をインプロセス(加工中)で捉えるというのは非常に難しい技術ですが、試行錯誤を重ねる中でデータと現場の現象が頭の中でカチッとつながった瞬間は、たまらなく面白くワクワクします。難しい技術だからこそ、大きな挑戦ができているという点に日々やりがいを感じています。

  • 08:00  出社
  • 09:00  溶接データの確認
  • 10:00  プロジェクト進捗会議
  • 12:00  昼休憩
  • 13:00  工場移動、工場との定例会議
  • 15:00  異常データの現地調査
  • 16:30  次回の調査計画作成
  • 18:00  退社

大学では接合・溶接部の組織観察を通じて強くて壊れにくい接合・溶接部をつくるメカニズムを明らかにすることを目的として、研究に取り組んでいました。

溶接分野に進むきっかけは、講義でヨーロッパの橋が崩落した事例を紹介されたことです。強い材料で構造物をつくっても、一番弱い部分、溶接部で壊れてしまうことを知り衝撃を受けました。

自分が大学で学んだことを役立ててモノづくりに携わりたいと思っており、通勤・通学や帰省などで移動手段としてずっとトヨタの車を使っていたため、生活を支えるモノづくりの会社としてトヨタ自動車を志望していました。コロナ禍で就職活動の幅が制限された時期でしたが、座談会への参加やアドバイザーの方との面談を通じて入社後にやりたい事を明確に伝えられるようにしていました。

将来は「溶接の困りごとはこの人に頼ろう」と思ってもらえるような技術者に成長したいです。課題解決には溶接の知識と溶接機器の理解の両方が必要なため、現地トライや実験を重ねて知見を広げたいと考えています。また、海外工場でも経験を積むことでどんな状況でも対応する能力を鍛えたいです。

休日は気分転換と体力づくりに登山に行きます。同僚と一緒に行くことも多く、自然と人の両方からパワーをもらっています。また、自己研鑽にデータサイエンスやAI関連の講座で勉強をしています。